参議院の定数を6増やす改正公職選挙法が昨日成立しました。
今夜は国会質疑などで浮かび上がった改正の疑問点と選挙制度改革の行方について考えます
特定枠とはどのような制度なのでしょうか、当選者が3人の場合を想定して考えます
それに従って特定枠をその人数を含めて自由に設定できるようにしました
次に投票順に従って5000票を獲得した候補者が当選となります
具体的には比例代表に個人名表が多い順に当選する候補者と政党の決めた順位に従い優先的に当選する特定枠の候補者という2種類の候補者が混在することになるという点
国会質疑では定数を増やすことへの疑問も出されました
それでも自民党がこだわったのには二つ理由が挙げられます
ここまでは今回の改正の問題点疑問点を見てきました
言うまでもなく選挙制度は民主主義の土台であり根幹です
参議院の定数を6増やす改正公職選挙法が昨日整理しました。
今回の改正により定数増と合わせて比例代表に特定枠という政党の決めた順位に従い候補者が優先的に当選する仕組みが導入され来年夏の参議院選挙から実施されます。
今夜は国会質疑などで浮かび上がった改正の疑問点と選挙制度改革の行方について考えます
改正公職選挙法のポイントです
参議院の定数を6増やし248とする
このうち選挙区で一票の格差を是正するため埼玉選挙区の定数を2増やす
一方、格差是正には直接繋がらない比例代表でも定数を4増やしこれと合わせて政党の名簿に候補者が優先的に当選する特定枠を設けることができるようにする
この中で国会質疑で最大の論点となったのが特定枠の導入です
特定枠とはどのような制度なのでしょうか
当選者が3人の場合を想定して考えます
今の比例代表は各党が獲得した議席の枠の中で名簿にある候補者が得た個人名表の多い順に当選する仕組みいわゆる非拘束名簿式です
このケースで当選者は5000、4000、3000の票をそれぞれ獲得した候補者ですこれを
今回の改正で政党が候補者にあらかじめ順位を決めそれに従って優先的に当選する特定枠をその人数を含めて自由に設定できるようにしました
具体的には当選は名簿の上位にある特定枠の候補者がまず優先されます
次に投票順に従って5000票を獲得した候補者が当選となります
この場合4000票獲得していた候補者は落選となる一方で特定枠の校舎2名は選挙前から当選が事実上保証されていたことになります
この特定枠について国会質疑では制度が複雑で有権者に分かりにくいといった批判や疑問が野党から相次ぎました
具体的には比例代表に個人名表が多い順に当選する候補者と政党の決めた順位に従い優先的に当選する特定枠の候補者という2種類の候補者が混在することになるという点
また特定枠の候補者は選挙運動を認められていませんそれにもかかわらず有権者の支持を集め大量に投票した有権者が候補者が特定枠の後回しにされ、議席を得られないケースが生じるのは投票価値の平等に反するのではないかという点
そもそも仮にある政党が候補者の大半を特定枠として扱えば過去に取り上げた拘束名簿式を事実上復活させることになり他の政党の名簿との間で混乱が生じると言った点などです
では比例代表に特定枠を設けることに自民党がこだわったのはなぜなのでしょうか
自民党は国政上優位な人材が当選しやすくするためなどと説明していますが前回2年前の参議院選挙で一票の格差を是正するため隣接する二つの県を一つの選挙区にする国が導入された鳥取、島根、徳島、高知の選挙区で今後は後者で後者調整で外れた校舎を比例代表の特定枠で救済することが想定されています
特定枠の活用を明言してるのは今のところ自民党だけですが選挙管理委員会やこれを活用する政党は制度の周知を徹底し有権者が投票の際混乱することを避ける努力が求められます
国会質疑では定数を増やすことへの疑問も出されました
それでも自民党がこだわったのには二つ理由が挙げられます
まず選挙区での定数2増について参議院は3年ごとに半数が改善されるため次の選挙から埼玉選挙区の定数が一つ増えます
これにより一票の格差が3倍をわずかに下回り今年1月いっぴの現在の住民基本台帳を元に NHK が飛散したところ一票の格差は2.949倍となります
この3倍を切る数字は最高裁判所が去年一票の格差が最大3.08倍だった前回2016年の参議院選挙後合憲と判断したこともあり、定数増の是非は別として意見もしくは違憲状態という司法判断を避ける上で最低最低限の条件をクリアしたと言えるのかもしれません
一方で比例代表の定数をあえて4増やす理由は何が考えられるのでしょうか
比例代表は選挙区と異なり定数を増やそうが減らそうが一票の格差是正には繋がりません
考えてみれば合区によって比例代表に回った候補者が特定枠によって優先的に当選することになれば割を食うのは特定枠の恩恵に預かれない党内の他の保護者です
MACO の為国で比例代表に回る候補者と同じ数だけ定数を増やすことを自民党は提案したのではないか
今回の改正が来年改選を迎える現職がいる自民党による党利党略だと野党側が指摘する所以はここにあります
参議院の定数が増えるのは沖縄の本土復帰に向け1970年に選挙区が新設され定数を二つ増やしたのを除くと戦後初となります
消費増税の予定を来年10月に控えいわゆる身を切る改革の流れに逆行する今回の改正に国民の理解を得るには今後も十分な説明が必要でしょう
ここまでは今回の改正の問題点疑問点を見てきました
では選挙制度の抜本改革の行方はどうなるのでしょうか
一票の格差是正に向けて参議院が手をこまねいていたわけでは必ずしもありません
最近では2010年の参議院選挙での一票の格差について2012年に最高裁判所が違憲状態と判断し都道府県単位の区割りの見直しを求めたのをきっかけに選挙区の定数を4増4減したのに続き2014年に再び違憲状態とされたの受けて翌年には合区を2箇所に導入するなど重曹10件を行いました
そしてその際抜本改革については2019年、つまり来年の参議院選挙までに必ず結論を得ると法律の附則に明記して国民に約束したのです
しかし各党の利害や思惑の違いから結論がまとまらず自民党は残された時間が少なくなる中で先月改正案の国会提出に踏み切ったという経緯があります
しかし改正案の国会での質疑時間は当事者の参議院において特別委員会でわずか6時間あまり野党が提出した三つの対案は採決さえされませんでした
これで議論が尽くされたと果たして言えるのでしょうか
今回伊達参議院議長は各党に対し大案を提出して審議に入るよう求めるに止まりましたが過去の選挙制度の議論では衆参議長が調停や斡旋の努力をしてきた経緯を考えると疑問が残ります
安倍総理大臣も先月の党首討論で今回は臨時的な措置と認めている通り抜本改革を先送りし選挙区の定数を一部調整することで一票の格差是正を図ろうというのは無理があるのは明らかです
言うまでもなく選挙制度は民主主義の土台であり根幹です
国会の会期末直前に法案が停止され各党の合意形成が図られないまま制度を変更することが果たして妥当なのか、そもそも二院制を採用する日本において衆参ともに選挙区と比例代表が併存するという似たような選挙制度を採用することの是非をどう考えるのか、参議院あるべき姿や役割とは何なのか、各党と各会派が真剣に議論した上で選挙制度の抜本改革に向け早急に結論を得ることが求められていると思います