こんばんは時論公論です
半世紀にわたって無実を訴え続けた元プロボクサー袴田巌さんの再審、裁判のやり直しの判断が東京高等裁判所で取り消されました。
一度は再審開始が認められ釈放までされている袴田さんへの判断を覆したのはなぜか?今夜は予定を変更してこの袴田事件の高裁決定についてお伝えします。
解説のポイントです
事件からこれまで50年を超える異例の経過を辿ります
そしてなぜ東京高裁は再審を認めなかったのか
最後に袴田さんは今後どうなるのでしょうか
昭和41年6月今の静岡市清水区で味噌製造会社の専務の自宅が放火され焼け跡から子供を含む一家四人が殺害されているのが見つかりました
その二ヶ月後会社の従業員だった袴田さんが逮捕されます
当時三十歳でした
そして裁判が始まっていた翌年になってみそ工場のタンクから血のついたシャツやズボンなど5点の衣類が発見されますあとになって見つかったのは不可解なことでした
しかし裁判所は5点の衣類は本人が犯行の際に来ていたもので有罪の証拠だとして昭和55年に死刑判決が確定しました
この袴田事件で四年前静岡地裁が再審開始を認めました
その最大の根拠が DNA 鑑定でした
DNA 鑑定は平成に入って本格的に導入されたため事件が起きた時にはまだ用いられていません
鑑定技術が向上したことから平成20年に申し立てられた2度目の再審請求で実施されました
鑑定で特に注目されたのが5点の衣類のうち、シャツの右肩についていた血痕です
け判決では袴田さんが事件の時右肩に怪我をしていてシャツの結婚と血液型が一致したことから本人が犯行の際に来ていたと判断していました
ところが弁護側の推薦した専門家による DNA 鑑定の結果シャツの結婚と袴田さんの DNA の型は一致しないとされましたこれが決定打となって静岡地裁は四年前に無罪の新たな証拠だとして最新開始を認めました静岡地裁は5点の衣類は警察が捏造した疑いがあると指摘しましたそして変え難いほど正義に反する状況だと述べ雨手入れですがこの時点で袴田さんの釈放を決めました
袴田さんは現在は姉の英子さんと一緒に故郷の浜松市で暮らしています82歳の今も家の周囲を散歩することが日課ですただし家族家支援者とも十分な会話は難しい状態です袴田さんが釈放された後も警察は地裁の再審開始決定を不服として争い東京高等裁判所で心理が続けられていました今日の決定で東京高裁はなぜ正反対の判断を行ったのでしょうか最大の理由はいえぬえー鑑定の結果の評価です ANA 関係は現場に残された血液などをもとに DNA を分析してそのタイプが一致しているかどうかで本人のものか判断しようというものですただ他人の唾液が混入するなど状況によっては鑑定結果が不正確になることがあるとされています静岡地裁が再審開始決定の根拠とした専門家の関係は他人の汗や唾液などの DNA を誤って検出しないよう血液の細胞だけを選別して DNA を抽出するものでした警察はこの手法が一般的ではないことから実験そのものだ信用できないと主張していましたそして交際では別の専門家が検証した結果関係の手法や結果には自分があるとする報告をまとめていました今回の判断はこの報告などをもとに妻が認めた鑑定士法の科学的原理や有用性には深刻な疑問が存在するとした上で犯人のものとされるいる言わ袴田さんのものだとした判決の認定に不合理な点はないという判断を示しました俺について弁護団は誠に不当な決定だと強く批判し最高裁に特別抗告する方針です一方で東京高等検察庁はこの決定について適切かつ妥当な判断だと理解しているというコメントを出していますさて東京高裁でも争点は実はこの DNA 鑑定だけではありませんでした事件から50年近く経った交際の心理になって初めて新しい証拠が警察から開示されましたそれは袴田さんが警察官から取り調べを受けていた様子を録音したテープですここには警察が深夜まで連続して長時間の取り調べを続け繰り返し自白を求める様子が生々しい音声で残されていましたさらにトイレに行かせないまま言えなきゃ頭だけ下げなさいなどと求める様子も記録されていましたこの結果警察官が袴田さんを取調室の中で用を足させてトイレにも行かせなかったことなどが明らかになり弁護団は身体的にも心理的にも苦痛を与えて自白を迫ったと主張していました取り調べに行っていないと言っていた袴田さんが自白したのはこの録音の2日後でした弁護団は虚偽の自白に追い込んだことは明らかだとしていました当時の捜査手法について静岡地裁も人権を顧みずに追求する姿勢が顕著だったと既に指摘しておりこのテープとも重なる内容でしたしかし東京高裁はこの録音について取り締まり取調べは疑問と言わざるを得ないし方が含まれていることは認められるとしながらも判決に合理的な疑いを生じる証拠の価値があるとは言えないとして弁護側の主張を退けています取り調べを録音録画するいわゆる歌詞かの議論は無理な取り調べデータちょうじゅつが間違った判決につながってきたことをへの反省からスタートしたはずです5歳の判断は DNA 鑑定の部分に比べるとごく短い分量です畑してこうした過去の教訓をどこまで生まれたのか疑問も残ります私は四年前袴田さん 包括たいです配信開始の決定を受けた時支援者などの集会に参加する袴田さんを何度も取材しました元気そうな様子でしたがそのやり取りはやはり噛み合わず意思の疎通は十分にできない状態でしたこれは48年も拘束され死刑が確定してから毎日今日死刑かもしれないという恐怖に30年以上も晒されたためとみられます今回 DNA 鑑定の結果を中心に行われた東京高裁の判断釈放までは取り消しませんでしたがもし今後最高裁が特別抗告を退けて配信取り消しが確定すれば袴田さんは再び拘置所に収容されうる状態となります袴田さんはすでに82歳です最高裁にはできるだけ幅広い層10に対し客観的な判断を行い疑わしきは被告人の利益にという原則を貫いた迅速な心理を臨みたいと思います