こんばんは時論公論です
今年の小学校に続き来年春から中学校で教科となる道徳の初めての教科書検定が終わりました
くしくも物事を広い視野から多面的多角的に考えへ行き方についての考えを深めるという考える道徳の実現に向けて教育現場の理解を得なければならないはずの文部科学省にとって現場の信頼を失いかねない事態が起きています
今夜は初の中学校道徳教科書検定の内容と問題点に加えまして、前川前事務次官が中学校で行った事業への文部科学省の対応を通して道徳教育の在り方について考えます
小中学校の道徳は教科外の特別活動などと同じ続けだったんですけれども文部科学省はいじめ問題への対策などを理由に特別の教科に格上げすることを決め小学校はこの4月から中学校は来年4月から実施されます
今日かになるにあたって文部科学省は読み物道徳と揶揄されてきました状況を改めて考える道徳、議論する道徳といった問題解決型の道徳に変えることを目指しています
教科になれば検定を受けた教科書を使い成績をつけることになります
中学校の道徳の教科書は今年度文部科学省の検定を受けていましてその内容が公表されました
どんな特徴があるのでしょうか
今回の教科書検定には出版社判社が申請しました
そのうち7社は去年小学校の道徳の教科書の出版していましては純粋な新規参入となるのは一社だけです
何も記述を修正した上で合格になりました
小学校の道徳の教科書では文部科学省が教科化を見据えて配布してきた文部科学省版の教科書とも言える私たちの道徳と共通する教材を取り上げた出版社が多くは総じて横並び間や画一的な印象が指摘されました
こうした傾向は中学校でも現れていまして中学校向けの文部科学省版教材から多くの教材を取り上げたものが目立ちました
一方でこうして京大にほぼ頼らない形で教科書を編集した老舗の出版社もあり差別化を図ろうという動きも見られます
では中学校の道徳の教科書検定で追体験にはどんなものがあるのでしょうか
特徴的なのは三つの出版社の教科書に内容全体を対象に学習指導要領に示す内容に照らして扱いが不適切であるという意見がついたことです
どういうことなのでしょうか
道徳の学習指導要領にはこの節度節制思いやり感謝友情信頼などといったこの22項目にわたります項目というのが示されていまして教科書ではこれらの項目を必ず取り上げるということになっています
そしてこれらの項目にはさらに細かく要素が示されています
例えばこの節度節制では望ましい生活慣習を身につける心身の健康の増進を図る節度守り設定に心が安全で調和のある生活をすることとなっています。
ある出版社の1年生の教科書はこの節度摂生のうち安全で昭和のあるこの部分が扱われていないそういうわけで教科書の内容全体が不適切という風にされたんだ
この出版社は中村久子ヘレンケラーが抱きしめた女性という検定気のつかなかった教材を載せるのをやめまして自転車で小学生にぶつかりそうになり急ブレーキをかけて自分が大怪我を負った曲がり角という交通安全の教材に差し替えることで修正が認められました
体裁を整えるため問題のない教材が押し出された形です。
交通安全は大事ですが発達段階を考えればこの教材の差し替えがふさわしいのかとの疑問も浮かびます。
学習指導要領の違う一言一句外さない方針が意見がつかない子供たちの探求心を育む教材を差し替えることにつながる可能性を示しています
なぜこんなことが起きるのでしょうか
背景にあるのは道徳特有の検定の難しさせ教科書検定です。
は基本的に学術的な根拠に基づいて事実関係などに誤りがないかを判断し必要があれば検定意見がつけられます
しかし道徳の場合は学術的な基盤が定まらない事柄が多く何を根拠に検定意見をつければいいのかがはっきりしないため当初から検定になじまないという声が文部科学省の教科書検定審議会の委員の間からも上がっていました
教科書の編集に長年携わってきた出版関係者の一人はひとつの細かな自由で全体が不適切というのは道徳以外では例がないのではないかと指摘します
学習指導要領の項目に当てはめることが目的化しているようでは考える道徳への足かせになるだけです
今回、合格した教科書にはもう一つ気になる点があります
全ての教科書に道徳の授業について振り返って学んだことや自分の成果を記録する欄が設けられている中で五つの出版社の教科書は生徒自身が自らの二階堂を3段階から5段階いった方法で評価するようになっていくことです
道徳の教科化に伴いまして最も議論となったのか成績
強化となる以上つけざるを得ないという結論になったもののこどもたちの内面に点数をつけることはできないとしまして段階別者点数での評価はしないことになった経緯があります。
文部科学省は先生が点数で評価するわけではなく生徒の自己評価であれば問題ないとの立場です
しかし道徳教育に関する文部科学省の調査に中学生の先生の43%が指導の効果を把握することが困難だと答えて今そこに数値があれば利用したくなってもいいはありません
文部科学省はもう一度成績の在り方について学校現場に周知する必要があります
教科書はできましたが考える道徳の実現に向け課題は多く残されています。
そうした中文部科学省と学校現場の信頼関係を崩しかねない事態が明らかになりました
前川前事務次官を事業の講師に招いた中学校にその理由は授業の内容の報告を求めていた問題です
この問題では自民党の文部科学部会の部会長と会長代理の二人の国会議員が文部科学省が学校にメールで報告を求める前に問い合わせを行っていたことも明らかになっています
メールの内容が前川氏が天下り問題で辞任していたことや出会い系バーの店を利用していたことを指摘するなど個人への中傷とも取られかねないおよそ道徳的とは思えない内容が含まれていることにも批判があります
前川氏が行った事業というだけで法令違反でもないのに詳細な質問をすること自体現場の萎縮や忖度を産む恐れがあり行き過ぎだという声が教育関係者の間にも広がっています
当初、文部科学省は授業が行われたことを地元紙の報道で知ったと説明していましたが国会議員からの指摘でわかったと説明を変えたり議員の歯石で学校への質問内容を修正したりしたことも明らかになり釈明に追われています
およそ道徳教育をつかさどるにふさわしいとは思えない対応には呆れるばかりですね
文部科学省と各市の教育委員会は学校との関係がギクシャクすれば学校教育全体が歪むことにもなりかねません
影響を受けるのは子供たちだということを忘れてはならないと思います
道徳の教科化にあたっては戦前の教育勅語体制下の終身の復活につながるというに根強い悲観があります
学習指導要領の方にはまった窮屈な教科書や学校現場の萎縮を産むような文部科学省の対応がそのことを想起させるようなことはあってなりません