お正月のおせち料理ですが、縁起担ぎとその”いわれ”については”うんちく”としてお子さんや友人・知人に話せるようになっておきたいですね。おせち料理のそれぞれの一品から意味を覚えると覚えにくいのですが、おせちをカテゴリ分けすると覚えやすいです。そこで”お金”、”健康”、”知識紅白”の4つにカテゴリ分けしておせち料理の意味・由来をまとめました。
目次
おせちの由来を他人にスラスラ語れる快感
お正月と言えばおせち料理です。
縁起を担ぐこと、そして、日本人なんだからおせちの文化を後生に伝えるためにも知識としてその”いわれ”と作り方ぐらいは知っておきたいものです。
できれば”うんちく”として他人に話したいところですね。
話すときは、嫌みにならないように小声で独り言のように語りましょう(笑)
あなたがお父さんなら、子供は聞いていない振りをしますがしっかり聞いています。
そして、お子さんの知識としてしっかり身につくでしょう。
知人・友人との席では、うざいと思われるでしょうが、それでも心の中では「なるほどー」なんて思っています。
何よりもアウトプットすることで、あなたの知識としてさらに定着し、ひいては日本文化の伝承につながります。
是非ともミッションを感じてやってください。
ところで、おせちの由来を覚えるには”カテゴリ分け”がお勧めです。
料理名から入ると知識がばらばらになりますが、カテゴリごとに覚えると説明する際にも分かりやすく伝えられます。
縁起を担ぐのは人間の欲求そのもの
人間の欲しがるものを3つあげろと言われたら何でしょか?
衣食住というベースとなる欲求が満たされた上での話です。
それより上の欲求とすれば以下の3つはどうでしょうか?
お金、健康、知識
健康は長寿につながり、知識は自分の能力とも言い換えられます。
この3つに、もう1つ加えて、めでたい色の象徴として”紅白”を加えた4つのカテゴリに分けてみました。
おせち料理の4つのカテゴリ(紅白系、金運系、健康(長寿)系、学問成就系)
紅白系
紅白は、紅白まんじゅうに代表される”めでたい”時に使われる色の組み合わせです。
なぜ、紅白が、お祝いの席やめでたい時に使われるのかは諸説あります。
日本人なら紅白を見れば自然とめでたい気分になるので、由来など気にしないでそのまま受け入れればいいように思います。
でも、せっかくなので一応、諸説をご紹介しておきます。
花嫁衣装は、紅白ですね。
だから、めでたいという説です。
次に、赤は赤ちゃんの色で、白は神様の色です。
これを組み合わせて”人生そのもの”を表しているという説もあります。
身近な話ですと、お祝いには赤飯を炊くのが日本の風習です。
その赤がめでたいから紅白という説です。
いかにもしっかりとした由来がありそうな紅白ですが、実はそれほどピンとくる由来がないのです。
ただ、日本人ならDNA的に受け入れている紅白なのでおせち料理には必ず入れます。
紅白かまぼこ
今では想像できませんがかまぼこは高級なごちそうでした。
なぜなら、生魚の保存が難しかったころに海から遠く離れた場所で食べられ魚だからです。
(かまぼこは、すりつぶした白身さかな)
この高級なご馳走に紅白の色を付けてめでたさを表現した分けです。
紅白なます
なますは、千切りした大根と人参を酢で和えた料理です。
一説によると、大根が安定の意味があり、家庭をどかっと安定させる意味での縁起担ぎがあるようです。
白い大根に赤の食材を合わせることで人参が使われたと思われます。
菊花かぶ
菊は、『日本の国花』とか『皇室の象徴』としての気品があります。
また、かぶは、冬が旬の代表的な野菜です。
そのかぶを菊の花のように切って酢の物にした料理が菊花かぶです。
菊が邪気を払うという意味もあるようです。
金運系
金属としての”金”は、地球上での総量が決まっているのでリアルの経済でも価値があります。
ただ、太古の昔から世界の人たちは金を愛してきました。
不思議ですね。
金色は、その絶対的な価値が不明だった昔から人間には直感的に価値のあるものだという認識があったのです。
そういうことで、おせち料理にも金色が入ります。
栗きんとん
”きんとん”を”金団”と書くことから財宝の意味があるとか、”金団”は”金の布団”という意味があるなど諸説あります。
いずれにしても、料理の見た目からも昔で言えば金の小判を連想させる料理です。
家族の繁栄に願いを込めたおせち料理の定番ですね。
そのことから、一年の豊かさや一家の繁栄の願いが込められています。
錦玉子
錦玉子は、ゆで卵を黄身と白身に分けた料理です。
裏ごしして型に詰めた見栄えはとても豪華でおせち料理らしい料理です。
この白色と黄色を金と銀に例えて、家族の繁栄の願った料理です。
錦は、黄色と白色の”二色”からくる語呂合わせと言われています。
田作り
文字通り”田を作った”のが肥料として使われた”かたくちいわし”です。
五穀豊穣、豊作を祈ったおせち料理ですね。
田作りのことをごまめと呼びますが、実はごまめは「五万米」です。
いわしを肥料にしたところお米の収穫が五万俵という豊作になったことから「五万米」と呼ばれるようになったそうです。
たたきごぼう
ごぼうは、大根と同じように縁起のいい食材です。
理由は、土の中に深く根を張るため「根気」や「土台」ということにつながるからです。
家の土台をしっかりさせたいという願いがこもっています。
健康(長寿)系
健康で長生きすることは、人間の根源的欲求です。
日本にはいろいろな縁起担ぎがありますが、健康に関するモノは非常に多いです。
黒豆(祝い魚三種)
「黒」という色が邪気を払うらしいです。
縁起の話には、”邪気”がキーワードとして良く出てきます。
よく”まめな人になるように”というのは、今で言う意味とは違います。
現代の”まめ”という意味は、手間がかかることでもおっくに感じずに行動する人という感じです。
黒豆の”まめ”には、元気にとか、丈夫にといった健康の意味があります。
つまり、家族がまめに暮らせますようには、家族が健康に暮らせますようにという意味です。
ちなみに、関東ではしわしわに煮込みますが、関西は逆でしわにならないように煮込みます。
どちらも、しわができるぐらいまで長生き、しわができないように長生きという感じで健康長寿の意味があります。
海老
海老の”いわれ”は有名ですから、知っている人が多いエピソードが多いです。
例えば「腰が曲がるぐらいまで長生きできるよう」になどです。
長い髭が長寿を意味するという説もありますが、いずれにしても長寿(健康)の願いが込められています。
個人的には、健康に長寿はいいですが、腰が曲がる必要はないと思います(笑)
数の子
数の子は、子孫繁栄というのはわかりやすいですね。
なぜ、数の子かというのは、ニシンの卵は粒が多いことから子孫繁栄の願いが込められています。
子孫繁栄は、少々強引ですが健康への願いにつながります。
語呂合わせで、ニシンと二親をかけて「二親健在」という願いもあるようです。
学問成就系
特に男性の場合は、優れた遺伝子を持っているということとして”頭が良い”というのがあります。
事実、頭のいい男性、勉強のできる男性は昔から女性にモテました。
おせち料理の場合は、巻物系の料理として学問成就が表現されます。
過去、大切な文書や絵などは必ず巻物にされていたことに由来します。
巻物を書物に例えて、学問と捉えて学問成就を願うということです。
また、巻物には、書物以外にも、着物の反物に見立てているという説があります。
着物は、衣食住の”衣”でお金、つまり豊かさへの願いにつながっています。
伊達巻き
伊達巻きは関東、関西はだし巻き卵という話もあります。
伊達巻きは、白身魚のすり身と卵をすだれで渦巻き状に整えた料理です。
関東の人はこれが常識のようですが、関西の場合はだし巻き卵の方が多いはずです。
昆布巻き
昆布は日本古来の縁起物で、縁起の種類も多岐に渡ります。
大抵の縁起物が江戸時代ぐらいが起源なのに比べて昆布についてはその歴史の古さが半端ではありません。
一番わかりやすいのは”よろこぶ”の語呂合わせでしょう。
子孫繁栄系の当て字で「子生婦(こんぶ)」も有名です。
基本『祝い魚三種』
最後に基本の『祝い魚三種』です。
おせち料理に限らず、婚礼やお祝いの時には必ず食されていたというとてもおめでたいお料理です。
祝い魚三種が、みごとに4つのカテゴリに分類されていた理由がわかるような気がします。
- 黒豆
- 数の子
- 田作り
- たたきごぼう
関西の祝い肴は、「田作り」、「数の子」、「たたきごぼう」の3種です。(”田作り”の代わりに”たたきごぼう”の場合もあり)
以上、カテゴリ別のおせち料理とその”いわれ”でした。
お子さんのいらっしゃる方は、うんちくを語りながら正月を迎えてください。
きっと楽しい想い出になると思います。