iPhone修理業者のカラクリを理解すれば、iPhoneが故障したときになるべく損をしないで修理をすることができます。修理業者には、AppleStore、登録修理業者、野良業者の3種類が存在します。お勧めの方法は、iPhoneの使用年数によって修理業者を選ぶ方法です。つまり、使い込んでいる場合は買い換えを前提としてリスクを取った修理をして修理代金を抑えます。
目次
iPhoneを修理してくれる3種類の業者
AppleStore
言わずと知れたAppleの直営店です。
修理は、ストアに持ち込み、あるいは郵送であるため急いでいる場合はちょっと困ります。
また、店舗も少なく、地方の人はかなり不便です。
修理は、AppleCareに入っていなくても修理代金が割高になりますが対応してもらえます。
なお、AppleCare+は、2年間で期限終了します。購入後30日以内に加入が必要です。
登録修理業者
Appleのお墨付きではなく、総務省のお墨付き修理業者です。
後述の野良業者より安心できるという感じです。
「ゲオモバイル」や「App Bank Store」などが登録修理業者として総務省に認定されています。
店舗一覧は総務省のホームページ(なぜか一覧はPDFです。)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/sogo_kiban/repairer_info.html
特徴は、AppleCare+なしでも多少安く修理でき、修理後3ヶ月保証ありの店舗が多いことです。
iPhoneなどを修理する場合は、大抵は故障したパーツを交換する方法をとります。
このパーツには、Appleメーカー純正品と互換品があります。
そして、互換品を使うと、その後AppleStoreでの修理ができなくなります。
登録修理業者の大半は、互換品の方を使って修理をします。
それと、登録修理業者に依頼する場合の注意店として、修理の前にバックアップが必要です。
業者の中には、修理に出した機器が初期化された状態で戻ってくきます。
ちなみに、フロントガラスが割れたぐらいの修理であれば簡単であり、なおかつ電波法に抵触しません。
一方で、アンテナ関係のパーツを扱う場合は法律が絡むため総務省の許可が必要になります。
ところが、アンテナ一体型のパーツを修理している無許可業者が増えた事情があり、これが「登録修理業者」ができたきっかけです。
ちなみに、今でも後述の野良業者は、アンテナ一体型のパーツを無許可で修理しているようですがこれは法律的にはグレーです。
野良業者
上記2つ以外の業者のことを野良業者と呼びます。
駅前に小さな店舗を出して営業しているところはほとんどが野良業者です。
すべてが悪い業者ではありませんが、技術が一定していない、無駄なパーツまで強引に薦められるなど問題が多いです。
駅前にあるから便利そうといった軽い気持ちで利用しない方が無難です。
あらかじめ可能な限り調査をしてまともな業者かどうか調べてから利用してください。
そうは言っても、野良業者も使いようによっては便利なショップと言えます。
なぜなら、フロントガラスの交換ぐらいなら素人に毛が生えた技術力で十分可能だからです。
つまり、野良業者が出現する理由は、なんちゃってでもできる修理がほとんどであるということです。
なんちゃってでも出来るというのは、ネットに自分で修理するための方法が公開されているレベルの話です。
基本的に、iPhoneなどの修理は、分解して故障した部品を交換するだけです。
もちろん、手順はあるでしょうが、新品の組み立ての工程であっても東南アジアの若い工員が流れ作業でやっているぐらいですから技術が必要という訳ではありません。
そこで、重要になるのが、交換する部品の購入元がどこかということです。
部品の購入が安くなれば修理代の利益を出すことができます。
つまり、利益を出せるのはここなので、部品の出所がすごく重要になるのです。
例えば、野良業者が交換してくれたバッテリーが新品に見えても、すぐにへたる粗悪品が多いのはよくある話です。
3種類の業者の修理代金
AppleStoreには、修理価格が2種類存在します。
AppleCare+に入っている場合と入っていない場合です。
言い換えれば、前述の通りAppleCare+に入っていなくても修理をしてもらえます。
当然ですが、修理代金が一番高くなるケースは、AppleCare+に入っていないくて、AppleStoreで修理してもらう場合です。
次に、登録修理業者の修理価格は、AppleStoreのAppleCareに入っていない場合の価格よりも少し安めに設定されています。
では、金額に大差がないのに、あえてAppleStoreを使わないで登録修理業者を使う理由があるでしょうか?
それは、近くにAppleStoreがない場合に、急いでいてその場で修理して欲しいというニーズに応えられるということです。
最後に、野良業者の場合は、登録修理業者の修理価格のだいたい半額に設定されています。
登録修理業者の大半は、修理用パーツとしてAppleの純正品ではなく、互換品を使っています。
互換品パーツを使って修理をすることで、登録業者の場合は利益を出していることになります。
互換品を使ってしまうと、その後にAppleStoreでの修理が受けられないというデメリットがあります。
野良業者の場合も、修理用パーツは互換品を使っています。
ただ、野良業者の場合は、新品の互換品を使っているならまだ真っ当な業者です。
利益を出すために、粗悪なパーツを使ったり、中古品を使って利益を出しているケースもあります。
このように野良業者は、本当にピンキリです。
ちなみに、修理に使うパーツは純正品も含めて、個人であってもすべてAmazonなどで購入することができます。
野良業者の修理代金は、このネットで買えるパーツ価格の2倍ぐらいになっています。
iPhone6sの場合の修理料金比較表
液晶交換 | バッテリー交換 | |
Apple Store (Apple Care + あり) |
3,400円(税別) | 無料 |
Apple Store (Apple Care + なし) |
14,800円(税別) | 8,800円(税別) |
登録修理業者 | 12,000円程度 | 7,000円程度 |
野良業者 | 7,000円程度 | 4,000円程度 |
パーツ価格 | 4,000円程度 | 2,000円程度 |
オススメのiPhone故障への備え方
AppleCareについて
今までiPhoneを落として壊したことがない人は、AppleCare+には入らない方がいいです。
理由は、金額が14,800円(2年間)と高い。
そして、この金額は、画面を2回割らないと元が取れない。(フロントパネルを2回交換するということ)
もちろん、水没した場合などの大きな修理をする場合は元が取れます。(入っていないと3.5万円ぐらい)
それと無料修理ですが、例えばバッテリー交換は無料だが、交換してもらうにはいろいろと条件がある。(持っていけば全て交換してもらえる訳ではないので面倒くさい)
つまり、
- 画面なんてまず割らない。
- そして、水没といった”まずやらないミス”をやってしまったら、その際は諦めて3.5万円払う。
というスタンスで行けるなら入る必要がない、ということになります。
逆に、今まで、画面割りや水没経験のある人は入るべきです。
1年の保証期間
ちなみに、iPhoneには1年間の保証期間があります。
ただ、この保証期間は、自然故障というか、使用者の過失で壊していない場合に限られます。
つまり、1年間の保証というのは初期不良という、何もしていないのに壊れた場合が対象です。
購入から1年以内に故障した場合
迷わずAppleStoreで正規の部品を使って正規料金で修理してもらう。
修理代金が高くて痛いが、まだまだ使うのだから割り切る。
購入から1年以上経過してから故障した場合
近くに登録修理業者があればそちらに持ち込んで修理してもらう。
故障箇所によっては、自分かあるいは周りにいる器用な人に頼んで、Amazonでパーツを買って、YouTubeをみながら修理する方法もありです。
例えば、フロントガラスの割れぐらいなら十分にDIY可能です。
ただ、フロントガラスが割れた場合は、ガラスだけでなくて液晶を含むフロントパネルごと交換する方が簡単にできますし成功率も高いです。
業者の場合は、フロントガラスだけを交換してくれて価格も安い場合が多いですが、DIYでやる場合は慣れていないと難しい作業なのでやめた方がいいです。
そして、2年経ったら契約更新の時期だと思いますので、速やかに新しい機種に買い換える。
購入から2年以上経過してから故障した場合
2年以上使っている人は、壊れるまで使うつもりの方が多いと思いますのでそれを前提にします。
”ハズレの業者だったら諦めて買い換え”という覚悟で野良業者を利用する。
ホームページなどでよく調べて選べば、技術的には大きく外すことはないと思います。
ただ、恐いのは修理に使われるパーツの品質です。
もちろん、前述の通り、パーツによっては自分かあるいは周りにいる器用な人に頼んで修理するのもありです。
つまり、使い続けられればラッキーという感じです。
ただ、2年以上経つとバッテリーもへたってくるので、早めの買い換えが賢明です。
(もちろん、バッテリーもDIYで交換してまだしばらく頑張る手もあります。)
結論
そうは言っても、新しい機種は本当に価格が高いので上記の様に割り切って行動するのは難しいです。
だからといって、AppleCare+に入っていれば安泰かといえばそうでもないのです。
結論としては、大切に扱うしかありません。