激落ちくん
インターネットの時代は恐いですね。
「歯の黒ずみとる」といった感じで検索すると、いろいろ恐ろしい方法が出ています。
しかも、絶対にやってはいけない!と言える方法ばかりです(汗;
例えば、「激落ちくん」です。
水だけで家の中の汚れを落とせる優れものですね。
これで歯をこすると、汚れが落ちて黒ずみがとれるそうです。
そりゃそうですよ、汚れごとエナメル質を削り落としている訳ですから当たり前です。
これはやってはいけません!!
たとえ話をしてみます。
歯に対するカンナがけ
よくアパートなんかの賃貸物件ですと、前の住人のタバコのヤニの汚れがひどいと柱などはカンナがけしてキレイにしてから次の借り主に引き渡すそうです。
「激落ちくん」でやっていることは、歯に対するカンナがけですね。
歯の表面を削り落とすとなぜ危険なのかご存じでしょうか?
それは、歯の外側を構成するエナメル質というのは、再生しない結晶だからです。
エナメル質は再生しない
もし、エナメル質が再生するなら、虫歯になって歯医者で削っても詰め物なんて要らないわけです。
でも、歯というのは残念なことに一度削ると、二度と再生されることはありません。
ちなみに、骨は、歯とは違って再生能力があります。
これは、少々の複雑骨折をしても骨がくっつくことでご理解いただけると思います。
でも、歯は一度大きく削られてしまうと元に戻りません。
ただ、厳密にいうとエナメル質は少しだけ再生します。
「どっちなんだよ?」と怒られそうですが、正確には再生というよりも再石灰化というらしいです。
再生すると言うより、エナメル質の表面をばい菌から守るような自然治癒の働きだそうです。
ごく薄ーくカバーする感じでしょうか?
もちろん、削り落とした分の歯がそのまま再石灰化されるなどという虫のいい話はありません。
研磨剤は危なくない
ところで、同じ削るという意味では、研磨剤入りの歯磨き粉っていうのはどうなのでしょうか?
メーカーの言い分ですと、「汚れを落とすだけで歯は削られません」ということです。
実際には、研磨剤で削り落とすのは歯の外側を保護してくれている”ペクリル”という膜です。
ペクリルは、歯を虫歯菌などの外敵から守ってくれている重要な役割があります。
その一方で、ペクリルはタンパク質の膜なので、歯の黒ずみの原因となるステインと同化してしまうのです。
これが歯が黒ずむ原因なのですが、研磨剤はこの膜をがばっと削り落とすので歯が白くなるのです。
ペクリルという膜を落としてしまう危険性についてはこちらの記事に詳しく書いています。
⇒参考『歯の黄ばみを取る歯磨き粉を探してもムダ!その理由を伝授』
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