
「読書の技法」(佐藤優)で知の巨人こと佐藤優さんの速読の技法を習得しようとしたところ行き着いたのは熟読の方法でした。理由は、知識のない分野の情報はそもそも速読ができないという考え方が腑に落ちたからです。本で紹介されている、知識を得たい分野の基本書を3冊用意し、読書ノートを作りながらそれをそれぞれ3回読むことで知識を必要な際に使えるようにする技法をご紹介します。
目次
メルカリ効果で速読
最近、本を読むスピードが上がっています。
理由は、一日でも早くメルカリに出品して高い値段で売ってしまいたいからです(笑)
比較的新しい本は、メルカリだとかなり高額で、しかもすぐに売れます。
私は、本は新品の本でないと読む気がしません。
ですので、昔から図書館で本を借りて読んだことがほとんどありません。
他人から借りて読んだこともほとんどありません。
他人から本を紹介されても、私は自分で新しい本を買って読む人です。
ですから、メルカリに売ることはあっても買って読むこともほとんどありません。
電子書籍はKindle Unlimited
電子書籍の方は、そこそこ利用しています。
ただ、メルカリで売り払うのがモチベーションになっているのでリアル本の方が比重が圧倒的に高いです。
Kindle本を読むのは、読み放題に含まれている本だけです。
アマゾンの本読み放題サービス「Kindle Unlimited」というのがあってそれを利用しています。
それ以外は、基本的にはすべてリアル本でしかも新刊という感じです。
ちなみに、「Kindle Unlimited」を使っているのは、AmazonEchoでAlexaが読んでもらえるのも理由の1つです。
速読を求めたら熟読にたどり着いた
今年の正月は、今まで読んでいなかった”積ん読”になって古くなってしまった本をずいぶんまとめて読みました。
寝正月ならぬ、読書正月でした(笑)
読んだ本の中には、読みかけだったのをもう一度読み直した本があります。
”知の巨人”と呼ばれているあの元外務官僚の強面の佐藤さんの本です。
今回は、この本の内容の一部で”熟読の方法”をシェアします。
元々、この本を買った目的は膨大な読書量を誇る佐藤優さんの速読の手法を学びたかったのです。
ところが、結果としては、速読に対する考え方が変わってしまって熟読の重要性を教えてもらいました(笑)
この本で佐藤さんが伝えているのは、速読というのは”熟読をするための本を選別する”ためにあるという考え方です。
要するに、無駄な時間を使わないために速読で読むべき書籍を選別するということです。
知識がない分野の本の速読はできない
そして、そもそも知識がない分野の本は”速読はできない”と述べています。
知の巨人であって、膨大な読書量を誇る佐藤さんの言葉だけに重さを感じました。
この考え方は、私の様に、速読を魔法の杖のように思っている人間を幻想から開放してくれます。
速読ができるのはある程度知識のある本だけです。
ある意味では当たり前です。
知識がない本を速読できるのは夢のような話ですが、そのような魔法の杖は存在しないということです。
ダイエットと速読は金儲けのネタに使われる意味で同じ
うがった見方をすれば、”速読”というのは”ダイエット”のようなものです
つまり、絶対に達成できない目的なのです(笑)
だから、”金儲けのネタ”として、この先もずっと人を騙し続けるネタとして存在し続けるはずです。
私も、速読については何十年も前からいろいろやりましたが、今回の佐藤さんのおかげですっぱり足を洗うことにしました。
そもそも、今の自分の読書スピードにそこそこ満足していることにも気付きました。(メルカリ効果とは別の話で)
速読の訓練をやっている暇があれば本を読む時間に充てようと思っています。
具体的な熟読の方法
前置きが長くなりました。
本題ですが、熟読というのは、その目的は知識を身につけることです。
つまり、これから学びたい分野の知識を身につける。
これは、全く新しい知識もそうでしょうが、中途半端に身についている知識も含まれると思います。
逆に言えば、知識を身につけるために本を読む最悪の方法は、ただ数をこなしてたくさん読むことと言えます。
その読み方では、使いたいときに知識として使えないはずです。
知識として使えるようにする、つまり記憶に定着させるための工夫をするための熟読の方法が解説されていましたのでご紹介します。
(1) 基本書として3冊か5冊選ぶ
1冊だけににしない、できれば奇数冊がいいという感じです。
最初は、3冊で十分だと思います。
ちなみに、これらの本は本に書き込みをしますのでメルカリでは売れません(笑)
3冊選んだら、読む順番を決めます。
1冊目に、一番時間と労力を投入します。
そして、2,3冊目は、1冊目で得た知識を使って早く読むという感じです。
そのため、1冊目の本選びが重要になります。
選び方としては、”網羅性”が一番高い本を選ぶということだそうです。
(2) 同じ本を3回読む
1回目は、線を引きながら普通に通読します。
2回目は、ノートに重要箇所を書き写しながら読みます。
3回目は、再度通読します。
これを3冊全てで行います。
読書と言うよりは、ほとんど勉強です。
(3) 線を引く方法(1回目)
重要、分かりにくいと感じたら迷わず線を引きます。
この際、文章の行に線を引くのではなく、欄外に線を引きます。
また、分かりにくい箇所には「?」マークを入れます。
(4) 文章を囲う(2回目)
線を引いた箇所の中で、特に重要と思った箇所を線で囲います。
結果として、本全体に囲いができることになりますが、囲う量はどんなに多くても本全体の10%にします。
(5) ノートに書き出す(2回目)
囲った部分を全て書き出す訳ではありません。
目的は、理解を深めることです。
そのため、定義、数字、固有名詞に言及されている箇所、また、自分ではよく分からない部分を書き出します。
さらに、書き出したノートの欄外に、”突っ込み”をメモします。
これは、自分自身の評価(考えたこと)をアウトプットすることで記憶を定着させる目的があります。
(6) もう一度通読する(3回目)
(7) 2冊目移行の本の読み方
手順は同じですが、ノートに書き写す箇所はなるべく減らすようにします。
基本知識が付いているので、効率よく読み進めるようにします。
以上です。
説明だけ読んで分からないと思いますが、やってみると趣旨がわかると思います。
重要なのは目的である”知識として使えるようにする”を忘れずに、佐藤さんの手法をベースにアレンジして自分のものにすることだと思います。
読書ノート作りへの拒否反応
ところで”読書ノート”と聞くと拒否反応を起こす人が多いと思います。
かく言う私も、その1人です。
佐藤優さん曰く、”必要なときに使えない知識は意味がない”です。
必要な時に使えるようにするためには、自分の記憶として定着させる必要があります。
そのために、必要なのが読書ノートを作成するという作業ということです。
もちろん、上述の通り、文章を写し書くことは目的ではありません。
ですから、ノートに書き出している際も目的が明確なため、無駄なことをやっている感覚は起きないはずです。
ところで、集中力などの観点から1日に読書ノートの作成に費やす時間は30分から60分以内にした方がいいそうです。
毎日30分もこの作業に時間を費やしている人がいたなら、私に言わせれば”メチャクチャ勉強家な人”です(笑)
私の本からの知識定着法
ちなみに、私も独自の知識定着法があって実践しています。
独自というと大げさで、多くの人がやっている方法です(笑)
私は新刊のビジネス書をよく読みますが、その中で価値のある情報を得た場合に使っています。
やることは、SNSなどに”自分の言葉として”アウトプットすることです。
具体的には、FacebookやTwitter、そして今書いているようなメルマガなどにアウトプットしています。
自分の言葉でアウトプットし直すためには、しっかりと理解する必要があるので知識として身につきます。
私は何年も前からこの作業をしていることもあるので、友人と話している際に本から得た情報をぺらぺらと話すことができます。
そのため、周りの人から”物知り”と評価されているようです。
逆に、アウトプットしなかった情報については、なかなか自分の言葉でぺらぺら話せません。
ただ読むだけの読書も楽しいですが、知識として定着させてアウトプットして話すのもなかなか楽しいです。